誰も知らない』

クエンティン・タランティーノが審査委員長を務めた2004年度の第57回カンヌ国際映画祭で若干14歳で柳楽優弥クンが最年少にて主演男優賞を受賞したニュースで初めてこの映画の存在を知ったとき、おそらく誰もがタイトル通り柳楽クンのことを「誰も知らない」と言っていたことでしょう. 本来ならそんな多くの人の関心を引くことなくミニシアターでひっそりと公開されていてもおかしくないこの映画. でも内容は一人でも多くの人に見てもらいたいものだっただけに、カンヌでの主演男優賞受賞により連日上映劇場に長蛇の列が出来ていたことは映画ファンにとってはとても嬉しいことだったという記憶があります. そもそも実際に東京で発生した事件を基に描かれたこの作品は、どこから見ても作られた感のある作品が大半を占めている日本映画界において、希少な「自然体を重要視した」映画だったと思います. もちろんこれは作り物の映画です. でもどこかしらドキュメンタリーを見ているような感覚が終始あり、当初は彼ら4人の子供を置き去りにした母親に対して怒りを覚えていても、映画を見ていくうちにまるで『フランダースの犬』の時と同じように死が見え隠れする淋しさという名の怖さで映画を見ていること自体が辛くなっていくのです. 特に今でも印象に残っているのは末っ子の女の子が母親の残したマニキュアを床に落としてしまい、そのシミが残ってしまうこと. たったひとつのシミなのに、そこにはこの家族が母親もいて幸せだった時間と子供だけの4人になってひたすら母親を待つだけの時間と、そしてこの先に悲しい別れが待っているという様々なものを思い起こさせるものでした. 特に監督の声高なメッセージがある訳ではないものの、「この映画を見てあなたは何を感じますか? 」的な監督からの問いかけみたいな演出は本当に素晴らしいものです. おそらくタランティーノ審査委員長もこの映画そのものに何かしらの賞を与えたかったのでしょう. でもパルムドールは『華氏911』に、グランプリは『オールド・ボーイ』に与えてしまい、脚本賞とかでは意味をなさないということで、この映画の象徴的存在である柳楽優弥クンに主演男優賞を与えたのではないかと思います. この映画の感想の中には退屈な作品だというものもたくさんあるそうですが、この映画は決して置き去りにされた子供の姿を見て泣いてください的なものではありません. 上記にも述べたように「あなたはこの映画を見て何を感じますか? 」と観客に問いかけているものだと思うのです. ですから答えも人それぞれでしょうし、これが正解というものもありません. グロリア・ユニオン』タクティクスカードに 何を思い、何を感じ、何をするのか. 『海を飛ぶ夢』 と同様にたくさんの人に見ていただき、いろんなことを自問自答していただきたい、そんな素晴らしい映画だと私は思います. ミッションをこなしてアイテムを大量ゲット 深夜らじお@の映画館 は一人でいるのは好きですが、淋しいのは嫌いです.

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